障害者アート展示会での「気づき」について

 

こんにちは。コージ・ポッターです。

 

今週は仕事での出張や外出に手間取られてしまいまして、約一週間ぶりのブログ投稿です。

 

ここ最近は少し暖かくなってきました。

春はまだもう少し先ですが、コートを羽織って街中を歩いていますと身体が熱くなってきますね。

 

そんなお天気の良い中、本日はアート作家である私の友人(RYOさん)が主催しているアート展示会を見に行ってきました。

 

展示会場は名古屋市覚王山にあるカフェを借してもらい、身体が不自由な方や幼い子供さん達の作品を展示しています。

ブログでお見せできないのが大変残念ですが、友人がハンドメイドで作製した小さなキャンバスに、子供たちが絵具やクレヨンなどを使って描いた可愛らしい作品が描かれていました。

 

たくさんの絵が展示されていましたが、子供たちの作品はどれも伸び伸びと描きたいものを自由に描いています。

ちょうどRYOさんと談笑していた際に、その子供たちがやってきて壁に飾られた自分の作品を微笑ましく嬉しそうに眺めていたのが印象的です。

 

もうひとつの展示物は知的障害をお持ちの方々のアート作品です。

こちらはパンフレットやプリント物での展示でしたが独創的でとてもすばらしく、どれも世界に一つだけの”ユニークネス”です。

 

どうして今回この話題を挙げたかと申しますと、アートとはある意味「概念」を取り扱っているからです。

 

前回の「マーケティングの本来の役割とは?③」でご紹介したように、

概念とは、私たちが物事を認識する際のフレームワークであり、ものごとの見方や捉え方を意味しています。

 

アート作品もいろいろありますが、風景絵画のようなものではなく、抽象画と呼ばれる

ジャンルでは、各々の作家の「ものごとの見方や捉え方」がそのままキャンバスに映し出されます。

もちろん、二次元のキャンバスに彼らが持っている概念をそのまま投影することはできませんが、そのような制約条件の中でも彼らの持つ概念を表現しています。

 

その中のある作家さんの何枚もの絵を通して吟味していきますと、何かしらある一定の共通のパターンのようなものが見て取れます。

この場合のアート作品は人間誰しもがもつ概念と構想力の賜物です。

 

展示会場でRYOさんが話してくれたのは、

「以前から障害者アートの活動支援をしているのは、多様性(ダイバーシティ)を尊重する社会にしたいからです。そして、ある意味社会の「壁」をなくすことで、最大限にお互いの素質や素養を世の中のために活かせる豊かな社会が実現できると信じています。」ということでした。なんだか頼もしいです。

 

一方で、「多様性やダイバーシティというワードはとても便利で流布しやすいですが、その根底の共通の価値観、すなわち「原理原則」の共通理解が無いと、世界はバラバラになってしまう」と心配もされていました。

 

「原理原則」とは、「この世界の根本的仕組みや成り立ちであり、社会での決まりごと(通念)」という意味です。

(詳しくは、「マーケティングの本来の役割とは?②」をご参照ください)

この原理原則の解釈が人によって大きく異なり、ある所定のスケールを超えると実は社会が崩壊に向かっていきます。

 

要は、①社会の根本的な仕組みや成り立ちを理解した上で、②多様性を尊重する社会に発展していく、という多様性社会を形成する「手順」が非常に重要だと、RYOさんは述べています。

①をすっ飛ばして②を手掛けるというのは、「根無し草」と同様です。

根を張らずにぷかぷかと水に浮いて漂っている浮き草ではどこに流されていくのやら定かではなく、何とも心許ないですよね。

また、根っこがしっかり土中に生えてなければ、おおきな木ほどいとも簡単に倒れてしまうでしょう。

 

この活動を15年近く続けてこられたRYOさんの言葉だけに、概念や構想力の大切さに私もあらためて思いを深く致した次第です。

 

(続く)