マーケティングの本来の役割とは?②

こんにちは。コージ・ポッターです

いや~、今日も寒いですね。皆さんお身体にご自愛ください。

 

マーケティングの本来の役割とは?」の続きです。

 

前回の終いに、「概念」や「構想力」というワードが登場しましたね。

マーケティングの話を読んでいたのに、「概念」や「構想力」とは一体どういうことか?

と少々面喰ってしまった方もいらっしゃったのではと思います。

 

そこで少し余談を挟ませて頂きますが、私の仕事柄、昔は欧米の方とご一緒に仕事をしたり、お話をする機会がよくありました。

 

とりわけ年輩のビジネスマン、今は会ってないので分からないですが、もう皆さん70歳から80歳ぐらいですかね。かれこれ20年以上前になるでしょうか。

 

彼らはその当時で50-60歳代でしたが、一様に思考の程度はとても深く、ビジネスを進めていくにあたって、皆さんそれぞれの「ポリシー」というものを明確にお持ちでした。

(ここでのポリシーは、ビジネスを背景にして語っていますから、ビジネスにおける企業や組織の行動の原則やその方針......という程度でご理解ください)

 

相手の視野の広さや思考の程度が深すぎて、その当時は何を言っているのかサッパリ分かりませんでしたが、そのときの印象が私にとっては強烈で、物忘れをよくする私でも当時のことは鮮明に覚えています。

 

若かりし頃の私はその話を伺って、正直ただただ「舌を巻いて(感嘆して言葉が出ない意)」、「脱帽」(帽子を脱いで参りました!トホホ……)した覚えが何度もありますが、今になってようやく理解できることがあります。

 

実は彼らはみな「概念」や「構想力」を介してビジネスを語っていたのです。

 

一方、読者の皆様もよくご存じだと思いますが、日本でも京セラの創業者であった稲盛和夫さんやパナソニックの創業者の松下幸之助さんも明確なポリシーをお持ちでした。

お二方とも会社の発展のみならず日本の産業の発展に大いに貢献をされましたが、また、それを手間暇を惜しまず世の中に発信しておられましたね。

 

稲盛氏は「原理原則」という言葉を好んで使われていました。

(ネットや関連書籍もたくさんありますから、詳しく知りたい方はそちらをご参照ください)

曰く、「常に原理原則を基準として判断し行動しなければならない。常識や経験だけでは新しいことに遭遇した場合、解決ができずにうろたえることになるからだ」と......

 

また、「原理」とは辞書を紐解いて平たく申し上げますと、「森羅万象の中にあって、それ自体は他に依存せず、他のものがそれに由来するような、根本または根本的な仕組み」を指します。

「原則」とは、世間一般の多くのケースで適用される「決まりごと」、という意味ですね。

 

すなわち、「原理原則」とは、「この世界の根本的仕組みや成り立ちであり、社会での決まりごと(通念)」と解釈して良いかと思います。

 

我や先、人や先、今日とも知らず、明日とも知らず、朝(あした)には紅顔ありて、夕(ゆうべ)には白骨となれる身な~り」

と稲盛さんが言ったかどうかは定かではありませんが(笑)、

浄土真宗蓮如上人の「御文章」の一節のように、この世の無常(変わらないものはない)を痛感させられる変化の激しい現代ビジネスの世界にあって、原理原則に基づいて行動することで、公明正大に事業を行い、正しい利益を追求することの大切さを説かれていました。

(これって明確なポリシーですよね。)

 

そして、この一念と不断の努力があったからこそ、一代で京セラをグローバル企業に育て上げ、KDDIの創業や日本航空の事業立て直しをやってこられたわけです。

(と、このような偉業を私のような輩が解説するのも大変おこがましいのですが.....)

 

ということで、ここでの「ポリシー」というのは社会の発展に対してもそれだけ大切なこと……という一つの示唆としてご理解ください。

 

そして、このポリシーとは、概念や構想力なくして論旨明快に明らかにできないわけでして、それは何故かと言いますと......

 

このパートは多少なりとも説明が長くなりますので、もう少しお付き合いください。

(次回に続く)