こんにちは。コージ・ポッターです。
「概念」とは平たく言えば、ものごとの「共通」する部分を見出す、実際には共通している部位を捉えてグループ化することです。
あるいはその裏返しに、所定のグループから外れたものを「違い」として見出すことです。
さらに単純明快に申し上げますと、
「概念とはグルーピング(グループ分け)である」、
と一旦このように覚えてしまってもここでは何も差し支えがありません。
概念を理解するにあたって、「形」をイメージすると分かりやすいでしょう。
例えばですが、三角や四角など、ある形に角が三つあれば三角△、四つあれば四角◇というように私たちは日常「形」を角の数を数えることで簡便に認識しています。
(ちなみに、幼い子供さんは〇も△も◇も全く違うものとして認識しますよね。これって私たち大人にとっては普通の感覚ですが、幼い子供さんの知性の発達段階ではとても重要なことです。)
このように形を判別しますと、角の無い円(えん)〇と角のある三角△や四角◇を「違うもの」として認識することも可能ですが、これも一つの概念です。
ここでは、「角が有る」、「角が無い」の2つの区分け(グルーピング)で形を認識したわけですが、少し見方を変えて概念というものを眺めてみますと、
概念とは、私たちが物事を認識する際のフレームワークでもあるのです。
では、さらに角を増やしていきましょう。
五角形、六角形、七角形、八角形、十角形、12角形...と、
さらにもっと角を増やすと形はどのように変化していくでしょうか?
全体的にはどんどん丸くなっていくようです。
仮に無限大に角を増やしていきますと、一つ一つの角が取れて(角が丸くなる)、最終的には円(えん)〇のようになってしまいますから、今度は円(えん)〇も含めてグルーピングできることになります。これもまた一つの立派な概念です。
いわば、「概念とはものごとの見方や捉え方」を意味しているのですね。
そして、社会に住まう私たちに広く共通するものごとの見方や捉え方、すなわち「共通概念」を世の中では「原則(通念)」として呼びならわしているわけです。
したがいまして、前述したポリシーや原理原則だけではなく、マーケティングの取り組みにおいても「概念」はとても大切なこと、ということは自ずとご理解頂けるものと思います。
一方、日常の生活においても、皆さんが人生で遭遇するであろう数多のライフイベントに対して、実は半ば無意識に、お一人お一人の「概念」というフィルターを通して、結婚や家庭、仕事や職場、社会について眺めていらっしゃるわけです。
そして、各々のものごとの見方や捉え方が、ご自身のキャリアや人生の選択に非常に大きな影響を与えています。
しかし世の中では、ものごとの見方や捉え方である「概念」が如何に発想されて、またどのように形成されているのかを詳しくご存じの方は、本当に少ない......と言わざるを得ません。
(これって、社会で生活を営む私たちにとっては、一人一人の人生を大きく左右するような、実はとても切実な問題なのですが......)
では、「構想力」とは何か?
と申しますと、以下は「日本大百科全書」からの抜粋と引用です。
”それまではどちらかといえば構想力は感覚と同じ次元の概念であったが、カントは、これに独立した場を与え、感性と悟性という本来完全に別個の働きをする二つの能力を総合的に機能させる先験的能力とした。
理論哲学においては感性的多様を範疇(はんちゅう)にのっとって総合する力であり、美的分野においては、悟性と主観的に合一して美を生み出す能力である。”
なにやら大変難しいことが書かれていますね。
(正直何のことかサッパリ分からん....という声が聞こえてきそうです。すみません)
ちなみに、この辞典の「構想力」の解説が他のどの辞典よりも素晴らしく秀逸なので、あえて引用してみた次第ですが、このブログで哲学について解説するつもりは毛頭ございませんのでご安心ください。
カントがこのように述べていたことを、私自身、ビジネスの世界に身を投じる中で、概念や構想力をよく吟味して実践、体得した後に初めて知りました。
一方で読者の方々は、18世紀のヨーロッパで活躍した哲学者カントが、構想力について何故このように表現したのかを今はご理解頂かなくても構いません。
しかし、人間が如何に生きていくべきかの大切な示唆をカントはここで私たちに与えています。
こちらも一言でいえば、
「構想力とはものごとを組み立てて、まとめ上げる、総合する能力である」、
とここではそのように覚えておいて頂いて結構です。
私たちが社会への適材適所を叶える「自分探し」を進めていく程度に応じて、「概念」や「構想力」についてはあとで丁寧にかみ砕いてご紹介します。
(続く)